子どもにどう伝えればいい?

このような体験をしているからこそ銃の恐ろしさを子供達にも知って欲しいし、ふざけて撃ち合いごっこをしていると嫌な思いが込み上げます。

もちろん、日本に住んでいると基本的に銃は手に入らないので、まだ危機感を持つのは難しいです。しかしアメリカにいるときは常に銃の危険性と隣り合わせの生活を送る事になります。

車の運転中に煽られたりしてもあまり大事にはしないように、相手を挑発しないようにと私の母親は言います。
「They could have a gun! (銃を持ってるかもしれないから!)」

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最も簡単に銃が手に入ってしまうこのシステムを変えるにはまだ時間がかかりそうです。歴代の大統領、たとえばクリントン氏やオバマ氏が銃の入手方法に制限をする法を通しても、NRA(全米ライフル協会)が「殺すのは銃でなく人だ」というお決まりの文句のもと、次代の大統領、たとえばブッシュ氏やトランプ氏などに働きかけてきたことは有名です。こうして銃愛好者達による政府への圧力があり、政治家の献金問題と深くかかわっているのだということはアメリカでは周知の事実です。

また、時代と共に銃も進化を遂げています。狩に使うようなライフルやハンドガンが主流だったのが、戦争で使うようなマシンガン風(semi automatic rifle やAR-15)の銃が一般人でも手に入ってしまうのです。政府としては全ての銃を禁止するのではなく、被害を多く出してしまうweapons of war (戦争の武器)に対して規制を掛けたい案も出ていますが、やはりNRAや合衆国憲法修正第2条を徹底支持する方からの批判が強いため、なかなか前に進む事ができないようです。アメリカでも多くの人が「銃のない世界」を望んでいます。しかし、こうしてまったく進まない中、文化的に銃がある生活にどこかなれてしまったのかもしれません。

だからこそ子供には銃の危険性を知ってもらいたい。遊びとリアリティの線引きは大人でも難しい時もあるのに、子供は余計に混乱してしまう可能性もあると思います。例えば銃はダメだけど射的はいいなど、子供にはまだグレーな部分が理解できない時があります。なぜ銃の形をした射的は一般的に楽しまれているのか、ごっこ遊びはどこまでなら許されるのか。オモチャや遊びでは人は死なないけれど、現実はこうして多くの人が亡くなっているということ。ゲームで敵を倒すようにリアルに人が倒れてしまうことがどういうことなのか……。言葉選びにとても気をつけながら、子どもたちに説明しないといけないと考えています。

願わくば、二度と銃乱射事件が起きないことを祈ります。しかし、銃乱射事件のことを具体的に説明しなければならない時が来るかもしれません。今は4歳の双子たちに、どんなふうに伝えていけばいいのかを考えていきたいと思います。

笑顔の風景を一変させうる銃のこと。遊びと現実の違い、そして「境目」の危うさもある。どうやって伝えていけばいいのか…写真提供/山田ローラ