# 戦略

ワンピース、ポケモン…「いらすとや」が次々と「大人気コラボ」を実現できるワケ

古田 拓也 プロフィール

ソフトバンクが急成長したきっかけは、当時Yahoo!BB のADSLサービスを勧誘していた「パラソル部隊」である。パラソル部隊は、駅前や街角で、本来であれば有料のADSLモデムを無料で配布し、これによりYahoo!BBの加入者を急激に伸ばした。

(出所)いらすとや

無料でまずは使ってもらうことで顧客層を拡大し、後のBBモバイル、ボーダフォン買収、そして三大携帯キャリア化という成長の軌道を描くことになる。

基本的なサービスや製品を無料で提供し、その後のサービス利用によって収益をあげる仕組みのビジネスモデルをフリーミアムモデルという。先行投資が嵩むことで、当初は赤字になるものの、それにより顧客シェアを獲得して、その後に継続的な収益を上げていくことが目的だ。

ソフトバンクグループは、PayPayでも、大規模な赤字をものともせずにQR決済ユーザーに還元を続けているが、これもフリーミアムモデルの一環で、初期に大幅な赤字が出るものの、これでシェアを獲得することで、「Jカーブ」を描くような急成長を目指している。

 

「いらすとや」のイラストも原則として無料で使用できるが、それは無価値であることを意味しない。無料でイラスト素材を活用できたユーザーは、再び「いらすとや」のイラストを使用するようになるだろう。

「いらすとや」がソフトバンクと違うのは、ユーザーから直接課金を受けるのではなく、ユーザーの人気(=アクセス数)にあやかって宣伝をしたい広告主や、「いらすとや」のブランドを活用したい企業に課金を促すBtoBに根差したビジネスモデルである点にあるだろう。

「いらすとや」は、フリーミアムモデルを活用することで、いい意味で「タダより高いものはない」を実践しているのだ。

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