"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
太陽系最大の山と谷を発見
1971年の今日(5月30日)アメリカの火星探査機「マリナー9号」(Mariner 9)が打ち上げられました。
1960年代、アメリカは宇宙探査計画をいくつも立ち上げ、その中のひとつ「マリナー計画」では水星・金星・火星の3つの惑星が調査目標とされていました。1971年5月30日の22時23分、マリナー9号はケープ・カナベラル空軍基地から打ち上げられ、火星まで6ヵ月の旅をスタートさせました。
マリナー9号は重さが558kgあり、紫外線分光計や赤外干渉計分光計、テレビカメラなどの観測機器を搭載していました。この探査機の任務は火星の詳細な地図を製作することで、衛星軌道上に乗って地表をくまなく撮影できるように設計されていました。

約半年後の11月14日、マリナー9号は無事に火星の衛星軌道に乗り、地球以外の惑星で初の人工衛星となりました。マリナー9号は合計で7329枚もの写真を撮影し、火星表面の8割以上を記録することに成功しました。
これによって火星の表面には、標高2万7000m以上とエベレストを軽々上回る高さの山や、全長4000km、幅200kmにも及ぶ巨大な谷があることがわかりました。この谷はマリナー9号の名を取って「マリネリス峡谷」と名づけられました。
