2021.05.26

史上初めて大量生産された自動車「T型フォード」の製造が終了

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

全米シェアの半分を占めた「T型フォード」

1927年の今日(5月26日)、フォード社の乗用車「モデルT」の製造が終了しました。

モデルT(通称・T型フォード)は、アメリカの自動車メーカー・フォード社がかつて販売していた乗用車の一種で、ベルトコンベア式の生産ラインを使って初めて大量生産された自動車として知られています。1908年に販売が開始されて以来、全世界で1500万台以上が販売されました。 

モデルTはバナジウム鋼を使った軽くて丈夫なシャーシと4気筒エンジンを備えた小型車で、その価格は850ドルと、1000ドル超えが当たり前だった自動車業界で価格破壊を起こしました。大幅なコスト削減による低価格で、大衆から圧倒的な人気を獲得したのです。

注文が殺到したことにより、フォード社は他のモデルの生産をすべて停止して、モデルTだけを生産することを決定しました。1912年以降、すべての車体の色を塗料の乾きが早い黒に統一したり、流れ作業式の効率化された製造法を採用するなど、自動車の大量生産が本格的にスタートしたのです。

また、5000種類以上のカスタマイズ用アクセサリーの販売で購買欲を高め、1920年台にはアメリカの自動車のうち55%がモデルTになるという圧倒的なシェア率を誇りました。

これに対しライバルのGM(ゼネラルモーターズ)は、モデルチェンジを繰り返すことで消費者の注目を集める手法で対抗します。1920年代に入り、“初めての自動車”ではなく、“買い換え”の需要が高まるにつれて「モデルT」の時代は終焉を迎えたのです。

Photo by Getty Images

関連記事