広瀬すずさん・櫻井翔さんのW主演で、企画発表直後から話題となった新ドラマ「ネメシス」(日本テレビ系毎週日曜日 夜10:30〜)が4月11日より放送開始となる。

広瀬すずさんが「探偵事務所ネメシス」の天才すぎる助手・美神アンナを、その助手が支えるポンコツ探偵・風真尚希を櫻井翔さんが演じ、事務所の大黒柱の社長・栗田一秋を江口洋介さんが演じる――それだけでかなり豪華なのだが、謎の失踪を遂げているアンナの父(この探偵事務所を設立した一番の目的はこの父を探すこと協力し合うのようだ)を仲村トオルさん、ネメシスと対立しつつも協力し合う神奈川県警捜査一課チームを勝地涼さん、中村蒼さん、富田望生さんらが演じているなど、他にも豪華な俳優陣がずらりと並んでいる。総監督を『AI崩壊』『ギャングース』などの映画監督・入江悠氏が務めることでも話題だ。

出典/youtube 日テレドラマ公式チャンネル

また、「ネメシス」は、脚本作りの段階から、少し変わった取り組みが実現されている。複数名のプロのミステリ作家と文芸レーベル「講談社タイガ」が参加し、本当のミステリのプロと映像のプロがタッグを組んだ新しいミステリドラマなのだ。

主演の櫻井翔さんをして「プロの集まった中での一員になっている」とワクワクしたコメントがインタビューでも話されていたが、この企画を熱い思いで実現したひとりである、北島直明プロデューサーはどのようにドラマを作ろうと考えたのか。「小説現代2021年4月号」に掲載された北島さんのインタビューを特別転載。ドラマ「ネメシス」の見事なセットの数々も合わせてご紹介する。

櫻井翔さんインタビューの抜粋記事はこちら
撮影/
北島直明(きたじま・なおあき)
映画・ドラマプロデューサー。『藁の盾』でプロデューサーデビュー。同作は第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品。『22年目の告白ー私が殺人犯ですー』で、エランドール賞プロデューサー奨励賞を受賞。『キングダム』では、藤本賞特別賞を受賞。
-AD-

みんながワクワクする「新しい探偵物語」

──最初に連続ドラマ「ネメシス」の誕生の経緯を教えていただけますか?

北島 入江監督と映画『AI崩壊』(2020年公開)の制作中に、次はどんなものを作ろうかと話をしていました。入江監督と僕は同世代なんですが、僕らが小中学生のころは、21世紀に向けて未来は明るくなっていく希望があり、それが映画やドラマの世界の物語作りにも活かされていて、“憧れ”が存在していたと思います。ですが、平成の30年間で暗澹としたものが広がってきたような気がします。そして令和の今、どんな物語を作るかを考えたときに、やはり明るいもの、みんながワクワクするようなものが作りたいと思ったんですね。

では、どんな題材がいいのか? 痛快で、コメディもあって、スリルもある……そう考えた時に、“探偵”が浮かんだんです。警察が手を出せないような事件を痛快に解決するヒーローで、それでいて、コミカルさもあって。事件としては現実的なスリリングなものも扱える……監督も僕も即決で、新しい“探偵物語”を作ろう! となりました。

──現実的というと、今作の舞台は横浜ですが、そこにも理由があったのですか?

北島 人気のある探偵は、因数分解するといくつかの要素があると思います。そのうちのひとつが、実際に存在する街に紐付いていること。例えば『探偵はBARにいる』はすすきのが舞台、『私立探偵 濱マイク』は横浜に住んでいて、『探偵物語』は渋谷にいるし、ホームズはベイカーストリート。大活躍する探偵というフィクション的存在を、現実の街を舞台にすることで実在しているように感じさせられるのでしょうか。今回、「ネメシス」の舞台となる横浜は昭和のノスタルジー感があり、同時に現代っぽくもある、そこが魅力でした。もう一つはバディものという要素があります。横浜を下見しているとき、町並みの中をコミカルな掛け合いをしながら、探偵と助手の二人が疾走している絵が見えたんです。そういう魅力的なバディを作りたい、と思ったのが企画のスタートですね。

「探偵事務所ネメシス」のセット。横浜という町の昭和のノスタルジーがありながら今っぽくもある雰囲気が、小物ひとつとっても感じさせてワクワクする (c)日本テレビ

──なるほど。北島さんは元々映画のプロデューサーですよね。なぜ今回はあえてTVドラマというメディアを選ばれたのでしょうか。

北島 キャラクターを育てていきたい、という意識でしょうか。映画は2時間ほどしかないので、設定やキャラクターを説明する時間はすごく短く、その中で主人公たちの成長を描くのは非常に難しい。現代のその瞬間を切り取った物語を届けることはもちろん大切ですが、今は長く愛されるキャラクターとコンテンツを作り育てる時代です。単発で作品を消化して終わってしまうのではなく、どんどん広げていく。今回の風真とアンナはそれに足るキャラクターになっていますし、魅力的なサポートキャラが主人公たちの仲間になっていくのも探偵物語の面白さですよね。そんな構造には連続TVドラマが最適だと思いました。

──小説の2巻には、道具屋の星憲章が主人公のスピンオフストーリーがあります。こんなふうに物語の世界が広がっていくのは視聴者・読者も嬉しいのではないでしょうか。

北島 視聴者のために、ドラマの全十話できちんと完結する物語になっていることは必要だと思います。その上で、視聴者や読者が彼らをもっと見たいと思ってくれるならば、さらに広げていきたいですね。