2021.03.29
# 老後 # 生前贈与 # 週刊現代

生前贈与と引き換えに、子供に老後の面倒を見てもらう「口約束」をした男性の悲劇

夫婦一緒のうちなら間に合います

口約束で十分だと思っていた

岐阜県在住の中田良彦さん(74歳・仮名)が義父を亡くしたのは10年前。その年から息子と娘に年間50万円ずつの生前贈与を始めた。原資は虎の子の退職金だった。

「15年近く前から義父が妻に介護をしてもらうようになったのを見て、自分も最後は子供に面倒をみてもらいたいという淡い期待が芽生えてしまったのです。
 
当時、定年を間近に控えて不安になっていたということもあると思います。息子と娘も喜んでいて、私が『俺の最後は頼むぞ』と冗談交じりに言うと『もちろんだよ』と言っていたのですが……
」(中田さん)

子供との関係は難しい。つかず離れずがいちばんいいと言われるが、それができたら苦労はしない。間違いないのは、子供に「期待してはいけない」ということだ。

その最たるものが生前贈与だろう。中田さん夫婦は10年にわたって計1000万円を子供たちに渡した。最初は感謝していた二人も、次第にもらうのが当たり前という態度に変わっていったという。中田さんが語る。

「2年前から娘は海外、息子は東京に自宅を構え、とても私の面倒をみてくれるとは思えない状態になりました。確かに私も子供たちと何か書面を交わしたわけではありません。自分の子供なら、口約束で十分だと思ってしまっていたのです」

Photo by GettyImages
 

期待するから裏切られる。それなら、最初から子供にカネを渡さない、代わりに自分たちも見返りを求めないというスタンスを夫婦で決めておけばいい。

大切なのは夫婦が共に健在なうちに、そのスタンスを子供に伝えておくことだ。独り身になってからだと、寂しさが勝り、適度な距離をとるのが難しくなる。

さらに一人で話し合いに臨むと、子供の配偶者が同席した場合、二対一になり、やりこめられてしまう可能性が出てくる。

「肉親どうし支えあおう」

そんな甘い言葉で近づかれ、家の建築費用や孫の学費と、ことあるごとにカネを無心されることになりかねない。

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