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死後に突然の「口座凍結」…“親の相続”で困らないために知っておきたい「これだけのこと」

山田一郎さんは父・太郎さんを亡くしました。相続人は一郎さんと母親の花子さん、そして妹の愛子さんの3名です。花子さんは高齢でしかもここ数年体調が優れません。愛子さんは結婚して姓が変わっています。そのようなわけで、喪主は一郎さんが務めることになりました。

葬儀から10日程過ぎたころ、葬儀社から請求書が届きました。見ると135万円と書かれています。葬儀社との打合せはバタバタした中で行ったので金額を細かくチェックする余裕はありませんでした。

それに、担当者から「Aプラン、BプランそれからCプランのどちらになさいますか」と言われると、「一番安いプランでお願います」とも言いにくく、結局、想定していた金額を上回ってしまいました。しかも、先日、太郎さんの入院費の立替えをしたばかりだったので、ここで葬儀費用を支払うのは正直なところ痛手です。

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しかし、一郎さんには安心材料がありました。太郎さんが亡くなる1か月前に病院に見舞いに行った際に、「死んだ後にいろいろお金がかかるだろうからこれを使いなさい」と通帳とキャッシュカードを渡されて、暗証番号も教えてもらっていたのです。通帳には約500万円の金額が記帳されていました。

「これは相続財産だけど、遺産分けにまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。でも、葬儀費用に使うのなら母も妹も文句は言わないだろう」

そう考えて、早速銀行に行ってATMで暗証番号をタッチしたその瞬間、「現在お取扱いできません」という無情の通知が表示されました。番号を間違えたかもしれないと思い、暗証番号を確認して慎重に画面をタッチしましたが同じ結果でした。

「ひょっとしたら、これが『預金の凍結』というものなのか。でも、父親が亡くなったことを銀行は知らないはずだ。一体どうしたんだろう」。一郎さんはATMの画面を呆然と見るしか術がありませんでした。

このように、親が死亡して困ることの一つに、親の銀行口座の預貯金が下ろせなくなったり入金ができなくなることがあります。このような預貯金口座の入出金が停止されてしまうことを、一般に「口座の凍結」といいます。

口座が凍結されてしまうと一切の入出金が停止されてしまうので、被相続人(死亡した方)の預貯金から葬祭費用や入院費用等の工面や公共料金等の自動引き落としもできなくなってしまいます。

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