2021.04.05
# 仮想通貨

仮想通貨「急上昇」のウラ、米テスラが「ビットコインを爆買い」した本当のワケ

100兆円経済圏の争奪戦が始まる
千野 剛司 プロフィール

いざ「爆発的普及フェーズ」へ

ビットコインの歴史を俯瞰すれば、08年に誕生し、最初に大きく注目されたのは欧州ソブリン危機でした。ギリシャをはじめ欧州の各国の国債が暴落しましたが、とりわけ13年のキプロス危機では富裕層マネーがビットコインに流入しました。証券市場では「有事の金」と言われ、市場にリスクオフの機運が高まると金が上昇するのが常でしたが、キプロス危機で資金が流入したビットコインは、「デジタルゴールドの片鱗」を見せたのです。

さらに2014年にはマウントゴックスが破産を発表し、取引所のセキュリティ問題が注目され、「初めての失望」を迎え、3年あまりの低迷期に入ります。

2017年5月から始まった上昇機運は、2017年末には2万ドルに迫り、未曽有のビットコインバブルを巻き起こしました。同時に日本では改正資金決済法が施行され、日本は法整備において世界をリードした。同時にそれまで業界をリードしていた中国で仮想通貨取引所が禁止され、仮想通貨の熱狂は日本が中心となったのです。ところが18年2月、コインチェック事件が発生し、またもや取引所のセキュリティ問題が足かせとなって、冬の時代を迎えることとなりました。

ビットコイン相場(米ドル・全期間)/出典:クラーケン
 

今ふりかえれば、私たちはこの冬の時代を仮想通貨のキャズムであっただろうと捉えています。

その後もZaifのハッキング事件(2018年9月)や規制強化の時代を受けて低迷していたビットコインは19年4月ごろから再び上昇基調を描くようになっていきます。この時期に起きていたのが、米中貿易戦争という有事と、Facebookの仮想通貨Libra(リブラ)の発表でした。

そして現在、ビットコインは5.5万ドルを超え、「デジタルゴールドの飛躍」の時代を迎えました。

前述した「テクノロジーの普及サイクル」に照らしてみれば、今、仮想通貨は3.「アーリーアダプター」期の末期に位置し、キャズムを乗り越えて、4.「アーリーマジョリティ」期に移行するかどうかの瀬戸際に来ていると、私は考えています。

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