ドゥテルテ長女vs.パッキャオ…!? 比大統領選有力候補の顔ぶれ

アフターコロナを見据えた闘いが始まった
大塚 智彦 プロフィール

世論調査では常に上位のサラ市長

国立フィリピン大学のシンクタンク「OCTAリサーチ」が1月26日から2月1日にかけて18歳以上のフィリピン人1200人を対象に実施した対面方式の世論調査では、2022年の大統領選の候補として最も支持されたのはサラ市長で22%、次いでグレース・ポー上院議員13%、パッキャオ上院議員とボンボン・マルコス氏が共に12%、モレノ市長が11%、ロブレド副大統領が5%となっている。

National Historical Commission of the Philippines

サラ市長はダバオがあるミンダナオ島では48%と高い支持率だが、首都圏マニラではボンボン・マルコス氏の18%に次ぐ17%に留まっている。また、サラ市長の主な支持層は貧困層(24%)なのに対して、富裕層・中間層の支持はボンボン・マルコス氏(22%)と分かれる傾向があり、こうした地域格差、支持層の経済格差をどう解消していくかが、各候補者による今後の選挙戦略での焦点となるとみられている。

2020年末に行われた民間調査機関「パルスアジア」の世論調査(11月23日から12月2日、対象2400人)でも、大統領候補として最も支持があったのはサラ市長で26%だったように、サラ人気は各種世論調査で総じて高くなっている。

ドゥテルテ一族とマルコス一族

1986年のピープルパワー革命で政権を追われるまで約20年にわたり独裁政権を維持してきたマルコス大統領と、下院議員も務めたイメルダ夫人や長男、長女などマルコス一族は、フィリピン政治史で特別な存在となっている。

ドゥテルテ大統領は現在も残るそうしたマルコス一族の政治的影響力に配慮して、歴代政権が躊躇してきたマルコス大統領の北イロコス州バタックに冷凍保存されてきた遺体のマニラ首都圏の英雄墓地への埋葬を断行。マルコス一族から感謝と評価そして支持を獲得することに成功した。

Gettyimages

ボンボン・マルコス氏はマルコス一族の「直系後継者」としてフィリピン全土で知名度は高いものの、マルコス政権時代に起きた反政府活動家や学生運動家に対する人権侵害事件などから、いまだに一部の国民からの反発が強いことも事実だ。

 

一方、マルコス元大統領の地盤で長女エイミー氏(現上院議員)が2019年まで州知事を務めたルソン島北部北イロコス州などでは、依然としてマルコス一族に対する人気が高く支持基盤も強い。

編集部からのお知らせ!

関連記事