「商社マンだった夫は精力的なタイプで、週末になると私を旅行やゴルフに連れ出しました。
昔はそんな夫に辟易したこともあったのですが、夫が亡くなってから、よくそんな日々を思い出すようになりました。
最近では休日にどこかに出かけるということはなくなりました。私は50年近くずっと専業主婦だったこともあり、出かけたり、外食をするのは夫とばかり。
誰も一緒に出かける相手がいないことに気づいたのです」
そう語るのは千葉県在住の橋本多佳子さん(72歳・仮名)。夫が亡くなったのは3年前のこと。
橋本さんのように、ずっと専業主婦として夫を支えてきた女性が、夫との死別を境に他人との会話や外出の回数が激減するという例は多い。
一般的に女性は男性に比べ、伴侶の死後も強く生きられると思われている。しかし、実際には男性同様、多くの困難が待ち受けている。