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# 遺言書

遺言書を書いたのに…気づかない「大きな罠」にハマってしまった家族の悲劇

大切なのは「相互チェック」と「シンプルさ」

失敗は山ほど

妻が亡くなったのは1年前です。私は多少の預貯金と株式などを持っているため、3年ほど前に遺言書を作成していました。

しかし、妻は専業主婦だったため、ほとんど収入はなく、遺言書を作成するという発想自体がありませんでした。それが間違いだったと気がついたのは妻が亡くなって1ヵ月も経たないころ。妻の兄と弟が私の家にやってきたのです」

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そう語るのは埼玉県在住の松本忠明さん(72歳・仮名)。

確実に伴侶に財産を渡すために不可欠なのが遺言書の作成だ。一般的に遺言書は、夫だけが書いているというケースがほとんどだ。しかし、ここに大きな罠がある。松本さんが振り返る。

実は妻は、彼女の両親が亡くなった際、長野県にある土地を相続していたのです。妻は二束三文の価値しかないと思っていたようですが、ここ数年で地方移住者にとって人気のエリアになっていたようで、800万円ほどの評価額になっていた。それに兄弟たちが目をつけ、やってきたのです

 

妻の兄弟たちは「元々は自分たちの親の土地だから、遺産分割協議をすべきだ」と言ってきた。「彼らは妻の遺言書がないことを盾にして、遺産を自分たちにも渡すようしきりに要求してきました。

のらりくらりとかわしていますが、いまだに解決はしていません。妻を失って呆然としているときに毎日のようにやってこられたり、電話でまくしたてられたり、ノイローゼになりそうでした」(松本さん)

妻が専業主婦の場合、相続の対象になる財産などないだろうと考え、遺言書を作成する人は少ない。

しかし、何もないように思っていても、忘れていた資産やへそくりなどが出てきてトラブルの種になることがある。だからこそ、夫婦が二人とも遺言書を書くということが重要なのだ。

夫婦で遺言書を一緒に書くことにはメリットがある。たとえば、普段は妻が「礼子」という漢字を使っていたとしても、戸籍上の漢字表記が「禮子」という場合がある。

夫がこれを知らないまま、ひとりで遺言書を作成し、「妻である礼子に」と記してしまうと、その遺言書は無効と判断されてしまうことがある。

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