東京から京都に移り住んだジャーナリストの秋尾沙戸子さんと、秋尾さんを京都の師とあおぐ漫画家の東村アキコさんの連載「アキオとアキコの京都女磨き」、今回のテーマは「京男」

“一見さんお断り”のお店も多く「横のつながりを大事にする」京都で、先祖代々受け継がれた名家の息子やそこに出入りする「京男」と出会うには? 巡り合う機会について、京都住まいの秋尾さんがその経験から考察します。

京都では恋愛結婚よりも「お見合い結婚」?

前回に続き、東村アキコちゃんから質問が届いた。
「京都の男の子って、お見合いで結婚するんですか?」

知り合いの京都男子が、まだ30歳の若さで、お見合い結婚をしたらしい。恋愛感情と関係なく結婚を決めたと聞いて、アキコちゃんは戸惑った。京都男子の結婚観に興味がわいたという。

Photo by iStock

たしかに、令和の空気感では、男子30歳のお見合い結婚はかなり早い。「もっと恋愛して、多くの出会いから最高のパートナーを探せばいい」「映画のような眩しい恋もしてみたい」東京で働く若い男女なら、そう考えるかもしれない。

だが、京都で暮らす私は、「お見合い」に疑問を抱かない。むしろ結婚相手をみつけるのには合理的な手段で、紹介ベースの「京都モデル」はあるべき形の1つだとさえ思っている。

東京では昭和後期から核家族が理想とされ、家に縛られない恋愛結婚がもてはやされたが、結果、不平不満いっぱいの妻たちをたくさん見てきた。かくいう私も失敗組だ。東京育ちの私は、その自由恋愛が正しいかのような昭和の風にあおられて、20代半ばで結婚してしまった。若気の至りとしか言いようがない。もちろん全うできず、バツの勲章が1つ。

20代30代の相性は未来永劫同じではない。相手も自分も成長していく。そのベクトルが違ってくれば、「若き日のビビビ」だけで婚姻関係を維持するのは実に難しい。結婚には夫婦の相性以外に、もっと大きなミッションが必要だ、と歳を重ねたいま痛感する。

-AD-

たとえば東京では、合コン会場で男子の年収を聞き出して安ければ圏外、次の人を探す婚活女子もいる。もちろん、住宅費がかさむ都会で暮らすには、年収は大きな要素だ。しかし、大切なのは、大人になるまで「彼を醸造させた環境」を知ることである。親兄弟、育った家を見て、そこを居場所にできるかどうか。その枠組みに自分も入りたいかどうかで判断すべきなのだ。

その点、京都の男子は実に賢い。こと結婚に関しては、一過性の出会いで軽はずみな選択はしない。なぜか。