ブラジルの蝶の羽ばたきが、テキサスのハリケーンに…「バタフライ効果」とは何か?

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

ブラジルの蝶の羽ばたきが、テキサスのハリケーンに

1917年の今日(5月23日)、アメリカの気象学者エドワード・ローレンツ(Edward Norton Lorenz、1917-2008)が誕生しました。

祖父も父もマサチューセッツ工科大学(MIT)の出身という家系に育ったローレンツは、自身もMITで気象学を学び、第二次世界大戦中にはアメリカ軍の気象予測班で働きました。

1962年、MITの教授となっていた彼は「Deterministic Nonperiodic Flow(決定論的非周期的流れ)」という論文の中で、大気変動の予測に関するカオス的な振る舞いについて示しました。平たく言えば、コンピュータによる予測精度がどれだけ増したとしても、気象はカオス的性質を持っているため、完璧な長期予報はできないという内容でした。

コンピュータの黎明期にあって、この論文は大きな衝撃を与えました。彼のカオス理論については「バタフライ効果」という言葉で説明されます。これはブラジルで蝶が1回羽ばたいたことが原因となりテキサスでハリケーンが起こるというたとえ話ですが、最初期の予測でほんの僅かな数値のずれが発生すると、長期予測では大きなずれに発展するというローレンツの理論を端的に表しています。

Photo by Getty Images

関連記事