2021.05.18
# 建築・土木

「史上最高の電波塔」はなぜ崩れ去ったか…かつて存在したスカイツリーを凌ぐ電波塔

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

「史上最高の電波塔」はなぜ崩れ去ったか

1974年の今日(5月18日)、かつて世界一高い人工建造物だった電波塔・ワルシャワラジオ塔が竣工しました。

現在の世界で一番高い電波塔といえば、ご存知、東京都墨田区にそびえる「東京スカイツリー」(634m)です。しかしほんの30年ほど歴史を遡ると、世界一高い電波塔の栄誉はポーランドのものでした。ポーランド中部の町、コンスタンティヌフに建てられた「ワルシャワラジオ塔」は、スカイツリーをも凌ぐ高さ646.4mを誇りました。

ワルシャワラジオ塔

ワルシャワラジオ塔ヨーロッパ中に住む在外ポーランド人が母国語でラジオを聞けるようにするため、可能な限り高くなるようにと設計されました。その構造は東京スカイツリーや東京タワーのような「自立型」ではなく、三角柱の鉄塔が3方向からワイヤーで支えられている「支線型」でした。昼夜となく強力な長波を流し、ラジオ放送はヨーロッパだけでなく、地中海を越えて北アフリカでも聞くことができたそうです。

しかし1991年8月8日、その年の暮れのソ連崩壊を予言するかのように、ワルシャワラジオ塔は真っ二つに折れてしまいました。塔を支えるワイヤーの交換作業中にミスが発生し、3本のワイヤーが保っていた張力の微妙なバランスが崩れてしまったのです。

すぐに再建計画が立ち上がったものの、地元住民の抗議により立ち消えとなってしまいました。

倒壊した電波塔

なお、2021年現在の最も高い人工建造物はアラブ首長国連邦ドバイに建設された超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」で、その高さは829.8mもあります。

関連記事