オンライン面接や自己PR動画の増加のことも
そうして「だから実績は気にするな、採用側は大抵のことをしょぼいと思っている」とつづる著者に、「じゃあ何をどう書けと!?」と思ったら、すかさずこの一文が飛び込んできた。
こう断言すると、就活生は、だったら、何を書けばいいのか、と悩むでしょう。大丈夫、まだ先があるから。
思考をすっかり読まれていたことに、つい笑ってしまった。おかげで続きの助言も素直に沁みる。具体的な内容は伏せておくが、採用する側として履歴書を読んでいた時、気にしていた点とも合致していた。納得の指摘。
ほかに昨今の特徴として、オンライン面接や自己PR動画の増加にも触れている。事実、昨年の採用を担当した知人からは、「面接中、Wi-Fiが途切れずちゃんと繋がって、音声や画像がしっかりしているだけで良い印象を受けた」という感想を聞いた。環境の整備については、本人だけでなくご家族の協力が必要な場合もある。背中を支える保護者の方にも一読をお勧めしたい。
就活の全体像をコンパクトに押さえた本書。知識で備えられることは増えている。多くのワナにハマった昔の自分へ届けたい気持ちを持ちつつ、これから活動される人にこそ、届くことを祈りたい。(講談社BOOK倶楽部 2021年3月8日)