2021.03.25
# 新型コロナ

氷河期世代の私が採用側に回ってようやく気づいた「就活のワナ」

『就活のワナ あなたの魅力が伝わらない理由』レビュー
田中 香織 プロフィール

明暗をわけたのはインターンシップへの参加の有無

ここで学生が誤解していることを先にお断りしておきます。日本の就活時期は法律で規制されているわけではありません。もっと言えば、法律で規制することは不可能です。(中略)日本の大卒採用は1915年ごろに定着しました。それから100年以上の歴史があります。その間、就活時期を規定する動きは何度もありました。が、いずれも法律ではなく、企業間ないし経済団体の自主ルール(紳士協定)という形でまとめられています。当然ながら、法律ではないため、破っても罰則がありません。そのため、就活ルールは1928年に日本で最初の就職協定が発表されてから、できては潰れ、潰れてはできて、の繰り返しです。

言われてみれば当然のことだが、考えてもみなかった……! 就活当時、なんとなく「実際の活動解禁と情報が流れ始めるタイミングってずれてるなあ」と感じていたが、実はそれこそが前提だったとは。また今に至るまで、あやふやな形でそのルールが続いていることにも驚いてしまう。純朴で情報の少ない学生ほど痛い目を見る構造に、かつての自分を思いやる。

そして今は、コロナショックのさなか。「調べて、知って、さらに動く」ことが、例年以上に重みを増していた。2021年卒の就活において明暗をわけたのは、インターンシップへの参加の有無だったという。著者の調べによると、現在その形は32ものパターンに分かれているそうだ。これは学生のみならず採用側にとっても有益な情報ではなかろうか。自社で行っているインターンシップが最適解なのか、考える余地が生まれる。

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後半では、エントリーシートの書き方やその重点、採用側の受け止め方なども具体的に語られる。

ES対策本やネットに出ている情報を見ていきますと、確かに、内定者のESは、わかりやすい成果・実績を元に構成されています。しかし、ここが就活生の誤解の元となっています。ESはわかりやすい成果・実績の有無を問うものではありません。文章力、再現性の有無、校正の把握などの総合評価によるものです。就活生が自身のことを「しょぼい」「平凡」と思っていても、実は勝てるチャンスは十分にあります。

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