食べ物で満たしたいのは「安心感」?

Mindful eating 人生が豊かになる食べ方の習慣』(日本実業出版社刊)という本の中で、心と食べ物に関して、こんな一節があった。

“特定の食べものがすごく大事なわけではなく、それが想い出させてくれる雰囲気時や情緒がもっと大事なのは明らかです。こういう食べものに対する想いは、愛されたい、気にかけてもらいたいという欲求から起こります。特別な時間の温かい幸せな記憶が、特定の食べ物に結びついているのです”

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思い返してみると、私は幼少期、仕事で忙しかった両親を待つあいだ、優しい祖母と一緒に食べるおやつの時間に幸せを感じていた。また、父が好んで食べていた美味しいカップ麺を時々分け与えてもらえることも嬉しかった記憶がある。
お菓子やジャンクフードを食べることと、楽しい記憶がセットになっていたのだ。

しかし、こういったエピソードは、私に限った話ではない。

例えば私のパートナーは、外でアイスクリームを食べることが大好きだという。
彼は幼少期の頃、毎年夏になると海のある地方に遊びに行き、そこで売っていた移動販売の美味しいアイスクリームを両親に買ってもらい、綺麗な海を見ながら浜辺の海風に当たりながら食べることが大好きだったそうだ。だから今でも外でアイスクリームを食べると、その時の幸せな感じを思い出すらしい。

やめられないお菓子と幼い頃の幸せな想い出がリンクしていることも多い。写真/Getty Images

一方で、お菓子やジャンクフードを禁止されていた友人の話も興味深かった。
その友人の母親は、栄養管理や体型管理に厳しい人で、幼少期は母親の作る手作りのお菓子しか食べさせてもらえなかったそうだ。しかし小学生になってから友達の家で食べた市販のお菓子の美味しさに驚き、成人して自分の収入で食べ物を買えるようになった時、それまでの母親からの抑圧を発散させるかのように、お菓子やジャンクフードを食べることにハマったらしい。

「体に良くないから」「太りやすいから」と特定の食べ物を徹底的に禁止することは、強い反動をもたらす可能性もあるのだと思う。

ダイエットを意識している人は、何かを食べることに対して罪悪感を感じる人もいるかもしれない。でも、もしその罪悪感で身動きが取れなくなってしまうのであれば、本当に心が欲していることは、ダイエットよりもまず『心を安心感で満たすこと』だと気づくことではないだろうか。

You Tube/Naotoube【吉野なお】