SNSを中心に、体型に関するポジティブなメッセージを配信し続けている、プラスサイズモデルの吉野なおさん(モデル名:Nao)。10~20代と摂食障害に苦しみ、ダイエットの呪縛に悩まされる日々を過ごしてきたことをカミングアウトしている。

そんななおさんのSNSで最近話題になっているのが、なおさんがアップしている食事の写真。「とっても普通だけど普通のごはんがおいしそう!」「なんだか、体だけじゃなく心にもよさそうだよ」というコメントが集まっている。

ダイエットから食に対して偏った見方しかできなくなっていた時期があったなおさんが、「普通の食事」のよさや意味にたどり着くまでの思いを綴ってもらった。

吉野なおさん。写真/吉野なお

心に空いた穴を埋めたくて食べる

食べすぎていつも後悔する―。
それはもしかして、食欲ではなく、『心を満たしたい欲』だったりしないだろうか。

私は以前、過食症だった。例えば仕事でイライラした時には、帰り道に菓子パン・アイス・スナック菓子など、甘いものや加工品などのボリュームたっぷりのジャンクフードを大量に買い込んで、家でひっそりとドカ食いをして、苦しくなっても食べ続けた。

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ダイエットをしたかった私は、頭では「食べすぎてはダメだ」と分かっているのに、過食を止められなかった。お腹が空いて食べていた訳ではない。
心が空いて食べていた】のだ。

過食する時は、「食べたい」という興奮状態と苛々が入り混じったような感覚で、口に何か食べ物が入っていないと落ち着かず、一瞬でも気を紛らわせたくて必死だった。しかし、過食したあとは必ず猛烈な虚しさや罪悪感が襲ってきた。それが更に心の隙間を作り、また過食を欲する...という悪循環のループだった。

私が過食症に陥ったきっかけは、思春期の頃に始めた極端なダイエットだった。幼少期から人よりも大柄な見た目に心ない言葉を浴びせられた。小学生のときの担任からも「痩せた方がいいよ、苦労するから」と指摘されたこともあった。そんなこともあって、食の知識がない小学生時代から自己流のダイエットを始めた。当然うまく行くはずもなく、失敗の繰り返しだった。

高校2年の頃に、当時好きだった人に「やせてほしい」と言われ、さすがにこれはやせなければと、極端に食事量を減らすダイエットにチャレンジをした。望み通り30キロ近くの減量に成功したが、体重が増えることが怖くなり、まともに食べられなくなった。それから約10年間、私は摂食障害という厄介な病と闘うことになってしまった。