The Impact Receipt/スウェーデン

一枚の洋服にかかる“真のコスト”を
明記したレシート

「様々なエネルギーが使われている」と漠然と伝えるのではなく、具体的な数値で示すことに大きな意義がある。©ASKET

世の中に浸透しつつある「カーボンフットプリント」という言葉。ひとつの商品やサービスが生まれるときに出るCO₂の排出量のことで、例えば洋服なら、原料となる素材の生産に始まり、それを仕立てたり、製造工場からショップへ輸送するまでのすべてを合わせたCO₂の排出量となる。

“買う責任”を意識させられるプロジェクト。©ASKET

スウェーデンのメンズウェアブランド〈ASKET〉が試みたのは、そのCO₂の排出量、さらには水とエネルギーの消費量をレシートに明記する〈ザ・インパクト・レシート〉というプロジェクト。購入者は自分が買った洋服の価格だけでなく、この一枚にかかる環境負担を知ることとなる。

©ASKET

今回、対象となったのは、Tシャツ、オックスフォードシャツ、チノパンツ、メリノニットウェアの4種。このことからも数値の表記がいかに難しいのかが分かるが、〈ASKET〉では2021年夏までに全商品に対象を広げる予定だという。製造時にかかるすべてのデータを消費者に提示する動きが広まることが期待される。
www.asket.com/transparency/impact

Sarafu-Credit/ケニア

経済の循環をつくる、
透明性のあるデジタル地域通貨

通貨が使える店には「Sarafu-Credit」の看板が。

始まりは、2010年にアメリカ人のウィル・ラディックによってケニアに導入された〈エコ・ペサ〉という名の補完通貨(地域通貨)。それを機に、様々な地域通貨が誕生し、2016年に〈サラフ・クレジット〉という名の通貨に統括された。

なぜ、ケニアでこれほど地域通貨が広がったのかといえば、多くの人々が貧困生活を強いられ、国が発行する通貨ケニア・シリングが手元にないから。店に食べ物や日用品があっても買うことができず、病院や学校が存在していても利用することができない。つまりそれは、商売や経済が回らないことでもあり、悪循環が生まれている。

現在、〈サラフ・クレジット〉は100%ブロックチェーンによる暗号通貨となった。ユーザー同士で通貨のやり取りが生まれる他、貧困層には赤十字などからダイレクトに支援が行われる。デジタル通貨なので使い道を正確に把握できるのもメリット。

コロナ禍では収入が減った多くの人々が〈サラフ・クレジット〉に登録。ケニアの赤十字が支援し、デジタルの地域通貨によって生活を支えた。

商店などが稼いだ〈サラフ・クレジット〉はケニアの通貨、ケニア・シリングとも交換可能。1サラフが1ケニア・シリングになる。大切なのは持続可能な経済の循環をつくること。そのためのきっかけをデジタルの地域通貨が担っている。
www.grassrootseconomics.org

●情報は、FRaU SDGs MOOK Money発売時点のものです。
Coordination:Yumiko Nakanishi Text:Yuka Uchida, Sakiko Setaka Edit:Yuka Uchida

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