忘れられた極秘核ミサイル計画の「遺産」…冷凍庫の奥のサンプルから見つかったものとは?

熊谷 玲美 プロフィール

氷の下に残された負の遺産

キャンプ・センチュリーの氷床コアは時代を超えて、気候変動の研究に貢献している。しかしグリーンランドの氷の下にはキャンプ・センチュリーの負の遺産がある。
1967年にキャンプ・センチュリーを放棄するとき、米軍は最小限の撤収作業しかしなかった。基地の残骸は永遠に氷の中に閉じ込められたままだと予測したからだ。

氷の下のキャンプ・センチュリーには今も、原子力発電装置から出た放射性廃棄物や、20万リットルものディーゼル油、塗料用ポリ塩化ビフェニルなどの化学廃棄物が残されているという。今後の氷河の変化によっては、こうした廃棄物の流出も予測されている※5。 

こうしてキャンプ・センチュリーの歴史を振り返ると、自然環境について、私たちが楽観的な予測をしがちなことがわかる。その予想が外れたときの代償は大きい。今回の研究からもわかるように、気候変動についても楽観的な予測をしてはいられないだろう。

【参考資料】
※1 https://www.pnas.org/content/118/13/e2021442118
※2 https://www.uvm.edu/uvmnews/news/uvm-scientists-stunned-discover-plants-beneath-mile-deep-greenland-ice
※3 https://www.uvm.edu/uvmnews/news/secrets-under-ice
※4 https://www.sciencemag.org/news/2019/10/ancient-soil-secret-greenland-base-suggests-earth-could-lose-lot-ice
※5 https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/2016GL069688

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