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コロナ禍で「子どもの本離れ」は進んだのか、検証する

児童書の売れ行きは良かったけれど…

この1年でエンタメはどう変化したのか? 特に緊急事態宣言下では、大人はもちろん、子どもたちも大きな影響を受けていた。子どもたちに向けた掌編連載「Story for you」の書籍化を記念し、ライター・飯田一史さんの特別寄稿を掲載!

コロナ禍で本は売れたけれど…

物語は、生活とむすびついている。

1990年代後半まで深刻化していた「子どもの本離れ」は2000年代以降劇的に解消され、2010年代以降の小・中・高校生は過去半世紀の中でもっとも平均読書冊数が多く、不読率(まったく本を読まない人の割合)が低い。これは毎日新聞と全国学校図書館協議会が毎年実施している「学校読書調査」のデータの推移にはっきりとあらわれている。

V字回復の理由のひとつには、国家ぐるみの読書推進政策が90年代後半から始まり、「子どもの生活サイクルの中に読書が組み込まれるようになったこと」がある。

たとえば1回10分程度、自由に読書する「朝の読書」の実施校は1997年時点では250校程度だったが、2020年3月時点では小学校の80%、中学校の82%、高校の45%で行われている(朝の読書推進協議会調べ)。

学校における読書ボランティアの活用状況は2002年には小学校でも31.5%だったが、2016年時点では81.4%にも及び、多くの学校で昼休みなどに読み聞かせが行われるようになった(文部科学省「学校図書館の現状に関する調査」)。

 

こうしたさまざまな活動が実を結び、80年代以降、マンガやゲーム、塾に振り向けられて減少していた児童・生徒の1日のなかでの読書の時間は、半ば強制的に確保されるようになった。

それによって子どもはさまざまな本を通じて物語と出会う機会を得た。

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