日々のストレスを「五七五」で解消…!サラリーマンの「悪態俳句」が面白すぎる
殴りたい上司の髪に隙間風怒りは静まり心は整う
〈「俺は凄い」結果で示せ冬雲雀〉
〈指図せずテメーでやれよ除虫菊〉
〈成長と給料は別啄木忌〉
五七五で詠まれているが、悪態のつき方がどことなく生々しい。とはいえ季語も織り込まれていて川柳でもない。
これらの句はバラエティ番組『プレバト!!』に出演していることで知られる俳人・夏井いつきさん(63歳)の呼びかけで集まった「悪態俳句」だ。
今年1月、夏井さんがユーチューブに「みなさんの悪態俳句を募集します」という動画を上げてから、コメント欄に俳句が投稿され続け、いまも勢いは止まらない。3月11日の時点で、その数は500を超える。
夏井さんが、悪態俳句について解説する。
「しんどいことや悲しいことなど、負の感情を俳句を作ることで昇華しようという試みです。いまの世の中、他人の悪口ばかり言う人がたくさんいるでしょう。悪いことをした人には石を投げてもいいという風潮もある。そんな状況を見てうんざりしていたんです。
とはいえ、誰しもイライラする出来事は必ずあります。このとき生まれた負の感情を抱え込んだままでいてもストレスが溜まるばかり。面と向かって言葉にしてしまえば人間関係に支障が生じてしまう。
そこで思いついたのが悪態を罵詈雑言のままにしておかず、俳句という形にすることです。詠むことで怒りは静まって心は整います。その句を読んでくれた人だって『私だけではないのか』と救われることもある」

もともとは、日常生活で溜まったストレスを解消するために作り始めたのがきっかけだったという。昨年の9月には自作の悪態俳句30句をまとめた小冊子『句集「悪態句集」』も上梓している。
それが、思いのほか反響を呼んだ。そこで、自身の動画で悪態俳句の募集を始めたのだ。近日中に、集まった句をまとめた本を発売するそうだ。