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# 中国

中国のさらなる「軍拡リスク」が明確に…「世界競争化」する前に食い止める方法

軍事費は過去30年で44倍に膨張した

日本へも怒りの矛先を向けた中国

「中国には中国流の民主主義がある」――。

米国のカウンターパートとの初顔合わせでこうまくし立てたのは、楊潔篪・中国共産党政治局員だ。米中両国は3月18日から2日間、酷寒の地アラスカで、バイデン政権の発足後初めてとなる外交部門のトップ会談を開催した。

楊潔篪・中国共産党政治局員
 

その冒頭の報道陣向けカメラ録りセッションで、楊氏は予定の2分を大きく超え、20分あまりにわたって過激な言葉を続けたという。

楊氏の熱弁は、その数分前のブリンケン米国務長官の発言に対する“報復”だった。同長官が、新疆ウイグル自治区、香港、台湾の人権問題や、米国へのサイバー攻撃、そして同盟国への経済的な圧力といった行為をずらりと並べ、「中国の行動に深い懸念を提起したい」と口火を切ったからである。

中国では初日の協議終了後、共産党系メディアがSNSで、1901年の北京議定書締結と今回の会談の写真を並べて掲載。120年前と違い、今回は中国の「屈辱の歴史」が繰り返されることはなく、習近平体制が反撃に出たと煽情的に伝えたという。

中国の怒りの矛先は、日本にも向けられている。中国外務省の趙立堅・副報道局長が17日、「喜んで人の鼻息を伺い、米国の戦略的属国となっている」と槍り玉にあげたのだ。

日米両国はアラスカ会談に先立ち、外務、防衛トップの4人が一堂に会する「2プラス2」を開き、日米同盟強化を打ち出していた。加えて、欧州やインド太平洋諸国も危機感を共有。中国包囲網を模索し始めており、中国は苛立ちを募らせるのだろう。

しかし、双方が外交の場を自国民や同盟国の手前、相手側への強硬姿勢を示す場にしてしまった以上、中国が一段の軍拡に進み、日本や同盟国が巻き込まれるリスクは増大する。そんな軍拡競争のエスカレートを抑える手段があるのか考えてみたい。

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