庵野秀明監督[Photo by gettyimages]

『シン・エヴァ』庵野秀明とジブリ・宮崎駿、“師弟でありライバル” という不思議な関係

※この記事には、映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』、『風立ちぬ』に関するネタバレが含まれています。未見の方は注意ください。

アニメーションの手本を示してくれた人

「庵野は血を流しながら映画を作る」

NHK総合公式サイト内の、『「プロフェッショナル 仕事の流儀」庵野秀明スペシャル』(3月22日 午後7時30分 放送予定)ページに記された宮崎駿の言葉だ。

庵野秀明監督[Photo by gettyimages]
 

庵野秀明が宮崎駿を師のひとりと仰いでいるのは有名だが、実際に師事した作品は意外に少ない。それでもこうした言葉が重く響くのは、宮崎と庵野の間に、ただ教え、教わるだけの師弟を超えた濃密な関係を感じるからだ。師弟であり、かつては仮想敵でもあったという2人の関係を、これまでの記事や発言をもとに紐解いてみよう。

先に、実際に師事した作品は少ないと記したが、主だったものとしては、庵野が巨神兵の原画を務めた『風の谷のナウシカ』(1984年)、庵野が主人公の声を演じた『風たちぬ』(2013年)という宮崎が監督した長編映画2作。

短編映画も、宮崎が企画、庵野が原作・脚本・監督を担当した『空想の機械達の中の破壊の発明』(2002年)と、庵野が製作、宮崎が巨神兵(モチーフの使用許可の意味と思われる)を担当した2012年の『巨神兵東京に現わる』くらいだろうか。

実質、アニメーターとして庵野が宮崎に師事したのは『風の谷のナウシカ』のみで、『となりのトトロ』(1988年)のオープニング映像制作に誘われたときも、同時期に制作していた高畑勲監督の『火垂るの墓』(1988年)に参加するために断っている。

それでも庵野は宮崎のことを

「『アニメーションはこういうふうに作る、映画というのはこういうふうに作る』という手本を示してくれた人なので、やっぱり師匠です。(中略)宮さんが違うと言っても、これでもう、既成事実です」(『風立ちぬ』完成報告会見より)

と慕い、宮崎も同会見内で、自身の代表作である『風の谷のナウシカ』の続編を作らせてもいいと考えたと発言するほど、庵野を信頼している。

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