『松原みき – Night Tempo presents ザ・昭和グルーヴ』/松原みき「真夜中のドア〜stay with me」/Rainych「真夜中のドア〜stay with me」

日本の「シティ・ポップ」世界的人気のナゼ…現象の全貌が見えてきた

「真夜中のドア〜stay with me」が大ヒット

ここ数年、日本のシティ・ポップの海外人気が続いている。竹内まりや「Plastic Love」の再評価に端を発し、山下達郎や大貫妙子などの日本のポップスの名曲が世界各国の若い音楽ファンに受け入れられている。そんな話題を耳にしたことのある人もいるだろう。

が、コロナ禍以降の大きく変動する音楽シーンの中で、シティ・ポップのリバイバル・ブームも以前とは違う様相を呈するようになってきている。

少し前だったら「都内のレコードショップで70年代や80年代のアナログ盤を買い求める外国人観光客」の姿がブームの象徴として取り上げられることも多かった。しかし、今はTikTokで若い世代に発見された楽曲がSpotifyのバイラルチャートを駆け上がり、新たなアンセムとしてストリーミングサービスで人気を呼ぶ現象が生まれているのである。

その代表が、松原みきのデビュー曲「真夜中のドア〜stay with me」だ。1979年にリリースされたこの曲は、2020年12月にSpotifyのグローバルバイラルチャートで18日連続1位を記録。アメリカやヨーロッパ各国、アジア各国のバイラルチャートでも1位となった。結果、この曲は今年に入ってもロングヒットが続き、Spotify上の再生回数も4,000万回を突破している(3月23日現在)。

約40年前の楽曲が、なぜ今になって世界各国で“現象”を巻き起こしたのか?

「真夜中のドア〜stay with me」
 

この曲のカバー動画が大きな注目を集めたインドネシアの女性シンガーRainych(レイニッチ)、フューチャー・ファンクのシーンを牽引し「昭和グルーヴ」シリーズでこの曲の公式リエディットも手掛けた韓国のDJ/プロデューサーNight Tempo、そして松原みきのデジタルマーケティングを担当する株式会社ポニーキャニオンの川崎義博氏に取材することができた。

その結果わかってきたのは、ムーブメントはあくまで自然発火的に起こったものだということ。そして、非公式の音源がYouTube経由で聴かれただけで終わっていたことの多かった数年前と違い、過去のカタログ音源が楽曲単位で注目を集め再生されることで収益につながるストリーミング時代の新たなビジネスモデルが生まれている、ということだ。

単なるリバイバル・ブームに終わらない構造的な変化も孕むこの“現象”の実像を追った。

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