泥沼のミャンマー情勢…「再クーデター」という究極の決着はあり得るか

国軍記念日の軍事パレードに注目
大塚 智彦 プロフィール

軍事パレードは「暗殺」の絶好の機会

3月27日はミャンマー国軍の記念日である。2020年はコロナ禍で見送られたものの、例年首都ネピドーでは大規模な軍事パレードが挙行される。

クーデターで実権を掌握した2021年は、その成果と存在感を誇示するために予定通りの式典を行うようだ。実際に在ミャンマー各国大使館の駐在武官に宛てた招待状がすでに発送されているという。

日本大使館には陸上自衛隊から派遣されている1等陸佐が駐在武官として在任しているが、この1佐が果たしてパレードに参列するかどうかも注目されている。

軍の招待に応じることは軍のクーデター、そしてその後の非武装の市民殺害という残虐行為を追認することになるのではないか、という議論がおきているからだ。

さらに思い起すのは1981年10月6日、エジプト・カイロでの軍事パレードに参列していたサダト大統領が、行進中の車列から飛び出してきた兵士の銃撃で暗殺された事件である。

Gettyimages

27日の軍事パレードにはミン・アウン・フライン国軍司令官以下軍の主要幹部が顔をそろえて参列、兵士を観閲する予定である。現在の軍の体制を倒すにはまたとない機会となるとの見方もある。

ミン・アウン・フライン国軍司令官がこのサダト大統領暗殺事件を想起し、自らの行動と地位に少しでも不安を感じるのであれば、行進する全ての兵士、参加する兵器、装備に実弾、実包を所持させないということも考えるかもしれない。

だたし、こうした究極の行動には「襲撃と同時に行わなければならない重要事項」がある。それはネピドー市内の自宅に軟禁されているというスー・チーさんの身柄救出と確保である。軍幹部襲撃、暗殺の情報が伝わった場合、周辺の警備に当たっている兵士がスー・チーさんに危害を加えたり、拉致して連れ去ったりすることも十分想定されるからだ。

 

つまりこのシナリオには軍内部でかなり詳細な作戦準備と相当数の仲間が必要になる。「知る人の数が増えれば増えるだけ秘密漏えいの可能性は高まる」というのが世の常だけに、完全な秘密保持も同時に求められることになるだろう。

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