2021.03.20
# ゲーム

「あつ森」発売から1年…いまだに売れ続ける「怪物」ゲームのスゴすぎる販売戦略

将来への「種まき」も
河村 鳴紘 プロフィール

任天堂の圧倒的な財務基盤

それに「あつ森」には、ソフト以外で収益を得る仕掛けがあります。

『どうぶつの森 amiiboカード』を使えば、好きなキャラクターを呼び出せたりしますし、キティやマイメロディなどのサンリオのキャラクターとのコラボ企画(3月18日のアップデートで実施)もスタート。カードの値段も1パック300円(+税)と手ごろで、ユーザーに重荷を感じさせない巧みな有料コンテンツの販売手法ですね。

任天堂がやる気になれば、それなりの額の有料コンテンツを出せて、しかも売れるでしょう。ただし「あつ森」は多くのライト層がいる世界的大ヒットソフトです。

有料コンテンツで売り上げがアップするのは経営的に魅力的ですが、ライト層が喜ぶか?といえば疑問符が付きます。もちろん、喜んで受け入れられる可能性もありますが、そっぽを向かれる危険性もあるのです。

そして任天堂は「コンテンツのブランディングに良くない」ことを、平然と見送れる強みがあります。

その理由は強固な財務基盤です。ゲームソフト販売という「水もの」のビジネスを手掛けていることから、すぐに動かせる現金を大量に保有しています。

「現金と預金」だけで約1兆1029億円(2020年12月末時点)を所有し、目先のカネを無理して取りにいきません。株主からは突き上げはあるかもしれませんが、その姿勢は世の経営者から見ると、うらやましい限りでしょう。

 

「あつ森」を長く遊ばせて、ユーザーの手元に置いてもらい続けることは、将来への布石にもなります。シリーズ続編への期待感もそうですし、次世代の子どもたちにゲームを遊ぶ習慣を身につけてもらうという意味でも重要な投資です。

発売から1年の節目を迎えた「あつ森」。今後、バージョンアップも含めて、任天堂がどんな施策を出してくるのかに注目が集まります。さらなる「大勝利」と、将来への「種まき」も含めて、その動きに期待したいところです。

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