〔PHOTO〕調査先のセーヌ・サン・ドニ県ホームページより

フランスの学校は“いじめや不登校”にどう立ち向っているのか

子どもの自殺が増えている。警視庁によると、2020年は前年を25%上回り、449人の小中高生が自殺により命を落とし、これは1980年以降過去最多だと言う。

さらに、自殺総合対策推進センターの調査によると子どもの自殺は新学期に多くなるそうだ。

そのようななか、いじめを経験した著名人がメッセージを寄せた「#元いじめられっ子から今いじめられている君へ」という特設サイトが設けられた。

フランスではどのようにいじめや不登校、子どもの不調に立ち向かおうとしているのか。

フランスの学校制度とは?

フランスの学校制度はシビアだ。

3歳から義務教育で「数字の4と5の区別がつかない、指示通り課題に取り組むことができないから年小クラス(3才)をもう一年した方がいい」と教師から言われることもあれば年小クラスから年長クラス(5才)に飛び級する子どももいる。

中学校から専門性の強い学校を選ぶこともでき、高校も普通科は進学を前提とした生徒たちで中学校も高校も卒業資格試験がある。

その分、勉強についていけないときや遅刻や欠席があるときは「何かうまくいっていないことがあるのではないか?」と学校内の児童福祉の専門職員がリカバリーを助ける役割を担っている。

 

調査をしたパリ市の北セーヌ・サン・ドニ県のある中学校は、市営住宅が多く、移民の割合の高い地区で予算が多めに与えられている。校長は「学校は教育だけでなくリカバリーの場でもある」と言う。朝食を食べていない生徒には食べさせ、家がうまくいっていない生徒にはケアをする。

1学年110人(22人×5クラス)が4学年いるが、児童福祉の専門職として教育相談員2人、教育アシスタント10人、いざこざや恋愛相談を専門とする仲裁専門家1人、休み時間や放課後の学習を担当する見守りスタッフ8人、ソーシャルワーカー1人、心理士1人、看護師1人がそれぞれフルタイムで働く。

図:セーヌ・サン・ドニ県のある中学校の例(筆者作成)

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