Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg via Getty Images

ナポレオンの夢が現実に…日本の技術も貢献した「ユーロトンネル」の開通

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

日本の企業も参加した超国家計画

1994年の今日(5月6日)、ドーバー海峡の間をつなぐ英仏海峡トンネル、通称「ユーロトンネル」が開通しました。

ドーバー海峡はイギリス側の都市・フォークストンとフランス側の都市・カレーを隔てる海峡で、最も狭い部分は全長34kmとなっています。遠泳のコースとしても有名で、泳ぎ切った人は「チャネルスイマー」と呼ばれて栄誉をたたえられました。

海峡トンネルでドーバー海峡をつなぐというアイデアは、蒸気機関車が発明されるより50年も前の1750年代からあったと言われています。19世紀初頭にナポレオン1世がトンネル計画を立てて以来、26の建設計画が立ち上げられては失敗してきましたが、技術革新によって発想に時代が追いつき、今から35年前の1986年についに工事が開始されました。トンネルの貫通はそれから4年後の1990年のことでした。

このトンネルの全長は50.49kmでスイスのゴッタルドベーストンネル、日本の青函トンネルに次いで世界で3番目に長いトンネルとなっています。一方、海底部分の長さ37.9キロメートルは世界一です。

Photo by SSPL/Getty Images

トンネルの掘削には、「鉄のモグラ」とも呼ばれる「TBM(Tunnel Boring Machine)」という掘削機が使われました。これはいくつもの硬い刃が生えた円筒形の前部を回転させ、土を切り崩して掘り進める機械です。先にイギリス側から6機のTBMが半分を掘り進め、続いてフランス側から5機のTBMがもう半分を掘り、2つの道が鉢合わせすることでトンネルが開通するという仕組みです。

フランス側のTBMには日本の川崎重工製のものが2機使われ、トンネルの建設に大きく貢献しています。

1991年には、鉄道が走る2本のトンネルと管理用の1本のトンネルのすべての掘削が完了し、その後の工事を経て1994年の5月6日に開通式が執り行われました。開通式はフランス側の都市カレーで行われましたが、エリザベス女王は「ユーロスター」でこのトンネルを通過して式典へと出席しました。

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/