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なぜ社会は「男性」を競争に駆り立て、搾取するのか…? その進化論的な理由

文化進化論とジェンダー・ギャップ

意図せざる帰結としての性差別

現代の社会における様々な領域に男女格差が存在していることは、疑いもない。たとえば世界経済フォーラムが毎年発表している「ジェンダー・ギャップ指数」では、各国における男性と女性との間の格差が「ジェンダー間の経済的参加度および機会」「教育達成度」「健康と生存」「政治的エンパワーメント」という四種類の指標に基づいて計算されてランク付けされている。日本は2015年以降は毎年100位以下であり、先進国のなかでも最下位で悪名高い。

では、具体的には、日本における男女格差とはどの領域で発生しているのか? 四つの指標を詳細に見てみると、教育と健康に関しては、男女格差はほとんど存在しないことがわかる。「ジェンダー・ギャップ指数2020」によると、総合ランキング一位のアイスランドにおける「教育達成度」は0.999であるが、日本も0.983だ。「健康と生存」に関しては、アイスランドの0.968を日本の0.979が上回ってすらいる。他のほとんどの国々でも、この二つの指標の数字は0.9から1.0の間に収まっている。教育と健康に関する男女格差は、過去にあったとしても、現代ではかなり改善されているのだ。

しかし、政治と経済に関しては事情が異なる。「ジェンダー間の経済的参加度および機会」はアイスランドでは0.839だが、日本では0.598だ。「政治的エンパワーメント」にいたっては、アイスランドの0.701に対して日本は0.049である。経済に関しては他の多くの国々についても0.4から0.8の間に幅広く分布しており、政治については0.5以上の国がほとんどない一方で0.1以下の国がちらほらと存在する。政治と経済の領域では男女格差は現代にも残りつづけているのである。

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各国のフェミニストたちは、この問題を深刻視している。現行の社会には、男性たちを有利にすることを意図して政治や経済の領域から女性を積極的に排除するメカニズムが存在している、と一部のフェミニストは考えているようだ。彼女たちによると、そのメカニズムは明文化された制度でもあり得るし、「男とはこうだ、女とはこうだ」などといったジェンダーに関する暗黙の規範や無意識のバイアスなどでもあり得る。

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