# 仕事 # 新型コロナウイルス

世の中は「クソどうでもいい仕事」で溢れている…コロナ禍で気づいてしまった人たち

誰にも必要とされない、 やる意味がない
週刊現代 プロフィール

無意味とは地獄

三途の川には、賽の河原があるという。そこでは親より先に死んだ子供たちが石を積み上げ、鬼に無慈悲に崩されるという作業を延々と続けているとされる。

無駄で、無意味な作業の連続は、まさしく地獄なのだ。心療内科医で産業医も務める梅谷薫氏は、その心身への悪影響をこう語る。

 

『どうでもいい仕事』を続けると、まず適応障害の一環で、下痢や腹痛などのストレス性内臓疾患が現れます。

次に頭痛です。くわえて眠れなくなったり、朝起きられないなどの睡眠障害の症状が出る。集中力が低下して小さなミスが増え、イライラするようになり、やがて大きなミスを引き起こす要因となるのです」

以前から、つまらない仕事というものはいくらでもあった。だが、いまや私たちは、はっきりと自覚してしまった。ただ辛いだけではなく、誰にも求められない、なんの意味もない仕事が、あまりに多すぎる。

『ブルシット・ジョブ』の訳者でもある、大阪府立大学の酒井隆史教授はこう指摘する。

日本では、労働は苦痛を伴うからこそ意味がある、という倒錯したモラルが特に根強い。たとえ無意味であってもその苦痛に耐えてこそ、道徳心や倫理観が養われるという考えがある。

こうした考えは人間としての可能性を狭めていると言えます。長時間労働と無駄な仕事により、悩まなくてもいいことに悩んでいる。

もっと人々がやりたいことを突き詰められれば、本来はより文化的に豊かな生活を送り、人間社会の可能性も広がっていくはず。しかし残念ながら、そうなっていないのが現状です」

コロナ禍で、この社会は多くのものを失いつつある。「クソどうでもいい仕事」に苛まれ、生きる気力まで失うようなことは避けたいところだ。

『週刊現代』2021年3月13日号より

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