抗生物質にまみれ…日本のニワトリが辿る「悲劇」をご存知ですか?

目を背けてはならない
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ブロイラーと違うのが、採卵鶏はすべてメスであるということだ。岡田氏が語る。

「採卵用の鶏のヒナは生まれて間もなく、オスとメスの鑑別がなされます。オスのヒナは不要と判断され、その場でゴミ箱にポンポンと投げ入れられ、産業廃棄物処理業者に引き渡される。つまり殺処分されるのです」

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養鶏業界に詳しい研究者の加藤武市氏が語る。

「アニマルウェルフェア(動物福祉)の観点から、世界的にオスのヒナの殺処分が問題になっており、ドイツなどでは孵卵中にオスのヒナの孵化を防ぐ技術開発も進められています。しかし、現在も日本では年間約1億羽のオスのヒナが殺処分されている状態です」

平飼いで飼育されるブロイラーと違い、採卵鶏は「バタリーケージ」という鳥かごの中で育てられる。食品問題に詳しい、ジャーナリストの猪瀬聖氏が語る。

「バタリーケージというのは、一羽あたり400平方センチメートルほどの狭いケージで、採卵鶏はこの中で生活し、卵を産まされるのです。歩き回ることはもちろん、羽を広げることすらできません。

ニワトリの足は木の枝などを掴みやすいような構造になっており、常に金網の上にいるという状況は非常にストレスが溜まるのです」

現在、スイスではバタリーケージの使用が全面的に禁止されており、欧州各国も続々と規制を強めている。しかし、日本では9割以上の卵がバタリーケージで生産されたものなのである。

 

ブロイラー同様、採卵鶏も品種改良が重ねられてきた。結果、元々は年間10~20個ほどしか卵を産まなかったのが、現在では300個ほども産むようになった。そのためカルシウム不足で骨折する鶏が後を絶たない。

悲惨な「廃鶏」の最期

そうして採卵鶏は最大で約700日間生き、劣悪な環境で産卵をさせられる。それでもまだ役目は終わらない。今度は「廃鶏」として出荷されるのだ。動物福祉に詳しい衆議院議員の堀越啓仁氏が解説する。

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