抗生物質にまみれ…日本のニワトリが辿る「悲劇」をご存知ですか?

目を背けてはならない
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しかし大量の抗生物質を与えることで、鶏の体内に薬剤耐性菌という抗生物質が効かない菌ができてしまうのです」

厚労省の調査によれば、'15~'17年度の間に国産の鶏肉の59%から薬剤耐性菌が検出されている。ちなみにブラジル産などの鶏肉では34%。いかに日本の鶏が薬漬けかがわかるだろう。

耐性菌の入った鶏肉を健康な人が食べても問題は少ないとされているが、高齢者などが摂取すると、病気治療の際に抗生物質が効かなくなる可能性が指摘されている。

オスは即、ゴミ箱行き

短期間で大きく育てるという方針が徹底されているブロイラーは、生後わずか50日という早さで出荷される。見た目は大きく育っているが、出荷されるときはまだ子どもで、ヒヨコのように「ピヨピヨ」と鳴くという。アニマルライツセンター代表の岡田千尋氏が語る。

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「養鶏場から出荷されたブロイラーは処理場に運ばれます。まず生きたまま『シャックル』という機械に逆さの状態で吊るされます。

そのままベルトコンベアで移動して、カッターで首を切られます。一部の施設では電気水槽で意識を失せますが、この装置がない施設も日本には多くあるのです。

また首を切断する過程で鶏が暴れてしまい、頸動脈を切ることに失敗し、死に切れないまま次の工程の熱湯につけられるというケースも稀に出てしまうのです」

鶏肉を口にする以上、この過程は不可欠だ。しかし、イギリスやEU諸国ではガスを使って息の根を止めたり、ガスで確実に鶏を気絶させたあと、頸動脈を切断するといった、なるべく苦しめずに絶命させるという手法が主流になりつつある。

日本ではまだその段階まで進んでいないのである。

 

多くの鶏舎では、50日で一区画のブロイラーをすべて出荷すると、そこでようやく鶏舎の床に溜まってドロドロになったおがくずの残骸や糞尿を片付け、洗い流す。そうして、また新しいブロイラーのヒナを入れる。この繰り返しなのだ。

50日で出荷されるブロイラーと違い、卵を産む採卵鶏の生涯は最大で約700日間。しかし、日本のニワトリにとって長く生きることは決して幸せとは言えない。彼らの一生はブロイラーよりもさらに過酷なのである。

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