温泉に「5分以上」入ると死ぬリスクが高まる理由…実は家のフロより危険だった…!

古来より温泉天国として知られる日本。全国の名湯巡りを趣味としている人も多いが、温泉の入浴法を正しく理解している人は意外と少ない。自宅の風呂以上に注意しないと、命に関わります。

めまい、そして心停止

2982ヵ所。日本全国にある温泉施設の数だ。新型コロナが落ち着き、「GoTo トラベルキャンペーン」が再開すれば、温泉でゆっくりと羽を伸ばそうと考えている人も少なくないだろう。

自宅とは違い広々とした浴槽に、肩まで浸かれば心も身体も癒やされるというもの。だが……一方で普段の自宅とは温度や入浴時間が変わるため、思わぬ事故に見舞われることもある。「あわや温泉で命を落としかけた」と語るのは、磯部厚さん(仮名・65歳)だ。

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「あれは、娘の結婚祝いで、娘婿と一緒に家族で伊豆の温泉旅館に行ったときの話です。いつも自宅ではカラスの行水なのですが、この日はせっかく温泉に来たんだからゆっくりしようと、いつもより長湯をしていたのです。

お湯の温度は、やや熱めだったかな。一緒に入っていた娘婿は『熱いので先に出ますね』と言って、脱衣所に向かいましたが、私は湯船に肩まで浸かり、リラックスしていました」

ところが、5分ほど経過したところで、頭が痛くなってきて、めまいがし始めた。

「視界がぼやけてきて、目の焦点が合わない感じですね。『これはまずい』と思い、逃げ出すように湯から上がったところ、足がもつれて、岩風呂の岩に額をぶつけて、そのまま気を失ってしまったのです」

気が付いたときは病院のベッドの上だった。

「幸い周りに人がいたので、騒ぎになり、救急車を呼んでくれたようです。病院に着いたときには、血圧も高く、不整脈を起こしていたと聞きました。あのまま死んでいてもおかしくない状況でした」

 

本誌は、前号まで2週にわたり風呂に10分以上浸かっていると熱中症を起こし、それによって年間2万人以上(推計)の人が浴槽内で亡くなっていることを紹介してきた。

千葉科学大学危機管理学部教授(法医学、救急救命学)の黒木尚長氏が語る。

「近年お風呂で亡くなっている人の大半は、熱中症を起こした結果の死亡だと考えられています。

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