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# 動物倫理

「ビーガンなんてあり得ない」「肉食やめるのはムリ」と言う学生に、私が伝えていること

興味深い学生の反応

昨年の7月に本サイトに掲載されたコラムで、最近の大学生がマルクスに対して大きく共感するようになってきたという報告をした。同じようなことが、マルクスとともに私が長年教え続けているテーマについても言える。それは動物倫理であり、動物倫理の主要内容の一つであるベジタリアンやビーガンという話題に対する学生の反応である。

ただし私の動物倫理との関わりは、マルクスとは経緯が異なる。

先の記事にも書いたように、マルクスは私にとっては大学院以来の研究テーマであり、博士論文を代表として、今でも私の本業的な研究分野となっている。これに対して動物倫理は後発の研究テーマで、博士号取得後に本格的に研究を始めた分野である。大学院に進んでから博士を得るまでに10年余りの歳月が流れているが、この間に私は動物倫理はおろか、そもそも動物それ自体に興味を持っていなかった。

かつて私にとって動物とは好きでも嫌いでもなく、本当にどうでもいい対象だった。そんな私が、動物倫理を主題にした本邦初の新書(『はじめての動物倫理学』集英社)を出す(2021年3月17日発売)というのだから、人生というのは分らないものである。

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では初期マルクスの「疎外論」(この概念についても前回のコラムで解説している)を主要な研究テーマにしていた私がどうして動物倫理の新書を出すまでになったのかということだが、直接のきっかけは博士号取得後に大学で環境論の講義を担当するようになったからである。

環境問題とマルクスを関係させる議論はここ最近流行を見せているが、これ自体は以前からあった研究テーマで、私が環境論を講義するようになった20年前も、マルクス主義の立場にある何人かの先輩研究者が、マルクス主義的な環境論を展開していた。

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