昨年12月30日付の本稿で「『東宝シンデレラ』オーディション出身の女優たち」について記したが、再び東宝シンデレラたちをテーマにしてみたい。「歌うシンデレラ」と「歌わないシンデレラ」についてである。
沢口靖子(55)がグランプリに輝いた第1回のオーディションが行われたのは1984年。主催は東宝芸能。映画会社最大手の東宝が100%出資する芸能プロダクションである。
当時の東宝芸能の社長は松岡功氏(86)=現東宝名誉会長=。東宝の社長と兼務していたから、両社一丸となってのオーディションを立ち上げやすかった。
東宝シンデレラと言うと、「清純派」のイメージが強いが、これも東宝を背にしたオーディションだからである。同社は長らく「明るく楽しい東宝映画」を社是としてきた。なので、ヤンキーっぽい子を選ぶはずがないのだ。
東宝シンデレラの生みの親とも呼べる松岡功氏の次男は元プロテニス選手でタレントの松岡修造(53)。朗らかで健康的なところが、なんとなくシンデレラたちのイメージと重なる。
松岡修造は一度だけ役者としてドラマに出たことがある。TBS『日曜劇場 陸王』(2017年)だ。そこで共演したのが、2011年の第7回で審査員特別賞を得た上白石萌音(23)。2人の間でシンデレラについて話題になったのかどうか興味深い。