2021.05.01
# 脳科学

神経の「ニューロン説」を提唱した医学者をご存じですか?

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

ヒトの神経の正体を明かした男

1852年の今日(5月1日)、ノーベル賞を受賞したスペインの神経学者サンティアゴ・ラモン・イ・カハール(Santiago Ramón y Cajal、1852-1934)が誕生しました。

スペイン北部のナバーラ州で生まれたラモン・イ・カハールは、幼いころはイタズラ好きの子供で、絵を描くことが得意だったそうです。彼が16歳のころ、解剖学の教師であった父とともに墓場から死体を掘り起こし、初めて解剖学の「実地研修」を行いました。死体の様子は彼の絵心を刺激し、人間の体を研究する道を選ぶきっかけになったと言います。

カハールは、同時代の解剖学者・ゴルジ(Camillo Golgi、1843-1926)が考案した神経の染色法を利用し、ニューロンという独立した神経細胞が互いに接触することで神経が成り立っているという説を提唱しました。しかし彼の学説は、「神経線維は連続的に網状に繋がっている」というゴルジ自身の学説と真っ向から対立するものでした。

1906年にカハールはゴルジとともにノーベル生理学・医学賞を受賞しましたが、お互いに正反対の学説を唱える科学者が同時受賞するのは極めて珍しいことです。1931年に電子顕微鏡が発明され、より精密な観察ができるようになり、カハールのニューロン説の方が正しいと認められました。

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