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さらば「日本製」…まもなく日本の「基幹産業」がどんどん消えてなくなる!

自動車、製鉄、電機…ぜんぶ終わる
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冒頭でも触れたように、製鉄には高炉と呼ばれる巨大な溶鉱炉が欠かせない。しかし高炉を使うと、鉄1トンを生産するのに2トンもの二酸化炭素が排出されてしまう。

そのため、日本製鉄をはじめ各社は、二酸化炭素排出量を激減させられる「水素製鉄」と呼ばれる手法を研究しているが、実現への道のりは険しいという。今回、日本製鉄・橋本社長は本誌の取材にこう吐露した。

二酸化炭素を出さない製鉄は、人類未到の技術です。水素製鉄では、還元(鉄鉱石から鉄を取り出す作業)に水素を使うことによって二酸化炭素の排出量を抑えるのですが、水素は500℃以上の高温にさらされると高確率で爆発してしまう。鉄の精製は高温でないとできませんから、塩梅が非常に難しいのです。

 

欧州で水素製鉄の技術が実用化されたとの報道もありましたが、作れる鉄は月産わずか10トン程度にすぎません。我々は毎月450万トンを生産しなければならない。お話になりません」

そしていま、この技術で日本は中国に後れを取っているという。

中国の鉄鋼メーカーは国有企業ですから、政府の後ろ盾で水素製鉄の技術開発にバンバン投資している。一方で日本政府は、二酸化炭素削減のために炭素税(排出量に応じて課される税金)を鉄鋼業に課すといいます。

小泉(進次郎)環境大臣にも言ったのですが、排出量の削減には研究開発が不可欠。そちらにカネをかけるべき時に、税金を取るなんて逆効果です。

ここで中国に負けたら、世界は中国産の鉄を使うようになり、日本の鋼材は使用禁止になるかもしれません。政府の支援がなければ我々は『アウト』ですし、日本経済の息の根も止まってしまいます

政府の全面的バックアップを受ける中国のメーカーに、落日を迎えた日本の製鉄各社が渡り合うのは絶望的だ。これでは10年と時をおかずして、早々に明暗が分かれることになりかねない。

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