西川善文流仕事術「周りの目が厳しいときこそ一刻も早く結果を出せ」

西川善文『仕事と人生』(8)
西川 善文 プロフィール

周りの目が厳しいときこそ一刻も早く結果を出せ

通常は合併の効果が出るまでに二、三年はかかる。しかし、当時、株主や監督当局が銀行を見る目は厳しく、一刻も早く結果を出さなければならないと私は考えた。「百日作戦」の成果は大きく、聖域なき徹底した見直しの結果、二〇〇二(平成一四)年三月期にはOHR(業務粗利益に占める経費の割合)が前年の四六・六パーセントから一一・四ポイント下がって三五・二パーセントになった。同時に、この取り組みが旧住友銀行と旧さくら銀行の壁をなくし、三井住友銀行としての一体感を後押ししたと思っている。

 

仕事というのは総じてスピードが重要な要素である。どんな仕事でも時間をかければいいものができるというわけではないし、その間のロスを考えれば早く処理したほうが断然有利なのである。

そのことは国会の論戦を見ていればわかる。時間をかけてああでもないこうでもないといって、別に納得が得られるわけではない。また、国会が延長されると、それだけ余計に経費がかかり、税金の無駄遣いである。さらに官僚を含めてマンパワーのロスもある。会期中は答弁の原稿や想定問答集の作成に時間を取られ、他の仕事ができなくなる官僚もいる。予算委員会が開かれている間、財務省の官僚などはオフィスの椅子に座って寝ている人がいるくらいだ。

皮肉を言うつもりはないが、スピードの重要性を理解する上で国会はまことにわかりやすい反面教師である。

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