ラストバンカー・西川善文が語っていた「成果を出す人がやっていること」

西川善文『仕事と人生』(7)
西川 善文 プロフィール

「ごますり部下」をどう排除するか

とはいえ、一人だけだとチェックが曖昧になりがちではある。典型的なのは組織のトップだ。自分の上に誰もいないから、否応なく自分でチェックするしかないが、人はどうしても自分に甘くなる。だから、厳しい状況に置かれたときに、嫌な数字を見たくなかったり、悪い報告を聞かなかったりして、現実を直視しないトップも出てくる。そういう人は現実を見ない代わりに頭の中を楽観が支配して、事態を甘く見積もるのが常だ。

しかし、現実から逃げてはいけない。悪いことがあったら、それはそれとして受けとめる。そして、悪い状況を一挙になくすことはできないから、前向きに解決していくよう努める。これ以外に選択肢はない。

トップという立場を経験して実感したことだが、トップがつらいところは孤独であることだ。それだけに「おいしいこと」「喜ぶこと」ばかり言う「ごますり部下」を重用してしまったりする。けれども「ごますり部下」が何の役にも立たない人間だったら会社の先行きは暗い。

Photo by iStpck
 

この手の「ごますり部下」の危険をどういうふうに避ければいいか。上に立つ者は自分を喜ばせてくれる人を尊重するのではなく、いい考え方を持っている人の意見を尊重することである。ただし、その人の給料を上げたり、序列を引きあげたりはしない。そういうことをするからおかしくなる。「いいことを言っている」「もっともだ」という意見を尊重するだけでいいのだ。そうすることで、ごまをする人を排除できる。地位も給料も上げてくれないのなら、ごまをする意味がなくなるからだ。

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