国のコロナ対策にも助言を続ける西浦博教授

緊急事態宣言、“解除前夜”に最前線の専門家がどうしても伝えたかった“ある”メッセージ

コロナとどう対峙する?

日本では特別措置法に基づく2度目の緊急事態宣言が年明けの1月8日に発出された。首都圏の1都3県ではそれが2度延長されたが、現在は感染者数の減少速度が少しずつ緩慢になり苦闘している状態である。また病床の占有率の減少も同様で、その中で英国株を中心に変異株感染者の増加が認められている。宣言下で感染者数が下がり切らない中、菅首相は期日となっている21日で宣言を解除することを表明した。

 

同じ“轍”は踏みたくない…

今、思い出されるのは去年の3月のことだ。月後半の3連休で人出がどっと増え、感染者数の増加につながっていった。私はその連休の直前だった19日、国の「専門家会議」の発表でのことを今も後悔している。当時は北海道の感染者数の動向が注視されており、会議では「北海道では一定程度、新規感染者の増加が抑えられていることを示している」とした。この時、世の中には緩和ムードが短期的に生じていた。

当時は自らSNSで情報発信もしていた(新型コロナクラスター対策専門家のTwitterアカウントより)

一方で、これから流行が来る徴候を欧州での拡大や国内への輸入感染者の出現から一部感じ始めていた。振り返れば、あの時もっともっと強く訴えて、出席されていた先輩方の「大規模イベントの再開」に対する意見を翻意させることができればよかった、と思う。危機感を十分に共有できていれば連休を契機とした感染者数の拡大の規模を幾分は小さくできたかもしれない。1年たった今、同じ“轍”は踏みたくない。

また、経済的な視点で見てもインパクトが結果的に小さく済むのは、感染者数を確実に制御可能な範囲に抑え、緊急事態宣言が頻発しない状態だ。しかし、このままで十分に減るようには思えない、と感じている方もいると思う。宣言が解除される見通しの中、私たちは今後このウイルスにどのように対峙していけばよいのだろうか。

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