まるで「お願い事のテーマパーク」

実は私が参拝したのは、今回が初めて。お正月に清水寺を訪れたときも、本堂の観音さまに手を合わせ、おみくじで大吉が出たので嬉しくなり、すぐに右折。音羽の滝に降りてしまった。実は、その左にこそ地主神社があり、通常なら修学旅行生であふれているという。

若者に人気の地主神は清水寺本堂の北側に、古代から存在する。撮影/秋尾沙戸子

わあ、鳥居を見て、びっくり。「地主神社」と書かれた扁額の下に、大きな文字で「えんむすびの神」「良縁祈願」とある。そして鳥居の向こうから赤い「縁」の文字が浮かび上がってくるではないか。こんなに目立つのに、どうして見逃したのかしらん。

決して広いとは言えない境内は、まるで“お願い事のテーマパーク”のよう。霊験あらたかな雰囲気はないが、お守りも種類豊富で、なんだかワクワクする。この楽しさに中高生が引き寄せられるのだろうか。平成令和の若者が神社に関心を持つ入口として、このくらい賑々しくわかりやすい演出が必要かもしれない。

本殿のご祭神は、やはり大国主命(おおくにぬしのみこと)、あの縁結びで名高い「出雲大社」の神さまだ。それ以外に父母である素戔嗚命(すさのおのみこと)奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)、祖父母の足摩乳命(あしなずちのみこと)手摩乳命(てなずちのみこと)の四柱。ほかにも大田大神栗光稲荷社などが祀られ、それぞれ芸能・長寿、商売繁盛の神さまと駒札は説明している。

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お守りもバラエティに富んでいる。恋愛成就だけで数種類。「しあわせ」「よろこび」「キューピッド」「ふたりの愛」「愛のちかい」などなど、若者が好みそうなハートモチーフなどのデザインで、ホームページには、どう身に着けるかを写真で示している。この手取り足取りの親切ぶりが、平成後期と令和における人気を物語っているかもしれない。

神社は時代を映す鏡だ。最近では親がこっそり「娘の縁結び祈願」に来ているらしい。女性の社会進出がめざましい昨今、男女の出会いの機会が減っている。仕事に忙殺されて忙しい娘の縁結びにママは必死。神頼みに余念がない。さらには、退職後、夫婦円満でいられるように祈願する高齢者もいるという。