東京から京都に移り住んだジャーナリストの秋尾沙戸子さんと、秋尾さんを京都の師とあおぐ漫画家の東村アキコさんの連載「アキオとアキコの京都女磨き」

今回のテーマは「縁結び」。修学旅行でもお馴染みの縁結びの神社「地主神社」、この場所に多くの人々が惹きつけられるのはなぜ? 秋尾さんが訪れて驚いた、エンタメ性の高さと古くから残る歴史の数々とは?

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京都で有名な「縁結びの神社」

コロナ禍で京都に来られない東村アキコちゃんから、こんな質問が飛んできた。
「京都に、縁結びの神社って、あるんですか」

縁結び――。ああ、長いこと忘れていた。私の中では死語と言ってもいい。恋の縁結び祈願なんて若者のすることよ、と心のどこかで思っていた気がする。歳を重ねると、人間関係そのものが複雑にからみあい、悪縁もやってくる。ゆえに、足し算より引き算。ご縁の断捨離が人生の命題になってきたりする。

しかしながら、神さまご先祖さまが結んでくれるご縁もあるわけで、悪縁を切って良縁を残せるなら、それも悪くない。金運祈願など安易なお願いはあとでツケがまわってくるけれど、本当に何がしたいのか、誰とつながりたいのか、大人が心の整理をつけるにも、参拝はいい機会かもしれない。

大人にとってご縁の断捨離は大切。参拝は心の整理につながる。撮影/秋尾沙戸子

京都の魅力のひとつに、目に見えないものへのリスペクトがある。ちゃんと生きている人は、自然の前では人間は非力だと自覚しているし、自分の人生が何かの因縁で動かされる場合があることも、幼いころからなんとなく感じて大人になっている。

その目線でいけば、縁結びをお願いした場合、意中の人と結婚するとは限らない。運命の人と出会うために、いまの彼氏と別れる可能性もある。その瞬間は辛いかもしれないが、それは神の思し召し。自分にとってのright personは他にいると、ポジティブに捉えよう。若いうちの恋愛は、幸せをつかむためのプロセスだから、未来を信じて歩みだせばいい。

で、肝心の縁結びの神社はどこか。京都で最初に名前があがるのが、地主(じしゅ)神社である。中高生の間で必訪の神社になっているらしい。それもそのはず、地主神社は、あの修学旅行生に人気の清水寺境内に存在するからだ。