コロナ発生から1年超。365日以上もの間、さまざまな迷いや葛藤が日本全国を駆け巡りました。
たとえば人命のためにとにかく自粛を徹底すべきという声がある一方、自粛が大事なのはわかるけれど経済が回らなければ命も守れないという声もあります。経済、命、お金……。われわれははっきりとした答えのない現実に直面することが増えたように感じます。
そんな折、筆者がさらに考えさせられることになったのは三宅孝弘さん(仮名、56歳。会社員だが休職中)からの相談です。筆者は普段から夫婦の悩み相談を行っていますが、孝弘さんからの相談は強烈でした。いわく、妻(54歳)は「夫の命よりお金のほうが大事」といわんばかりの態度で、癌治療で入院している孝弘さんを苦しめているというのです。
孝弘さんは死にたくない一心で治療を頑張っているのに妻は勝手に「夫の終活」を始めたようで……。今回はそんな夫婦のケースを紹介しましょう。
「このままじゃ妻に殺されます!」
筆者にそんな物騒な“SOS”のLINEを送ってきた孝弘さん。
送信の場所は病院の6人部屋。そして送信の時間は23時。すでに消灯して、真っ暗な部屋で布団にもぐって、夜な夜なスマホを操作する姿を想像すると胸が痛みますが、いったいなにがあったのでしょうか。