泣いて出てきた胎児をそのまま死なせ…中絶ビジネスの「壮絶すぎる実態」

小林 美希 プロフィール

「バケツに水を用意して沈めろ」

さらに深刻なのは、妊娠12週以降22週未満の中絶は「中期中絶」といい、週数が過ぎるほどリスクが高くなることだ。妊娠12週未満の場合は、胎児をかき出す「そうは法」や、機器を使って吸い出す「吸引法」で行われる。一方、妊娠12週以降の中期中絶は、人工的に陣痛を起こす必要がある。入院も必要だ。

妊娠12週以降の中絶は、医師による「死産証書」をもって役所に死産届けを出し、胎児の火葬、埋葬許可を得る必要もある。胎児の多くは、業界で「胞衣(えな)屋」と呼ばれる埋葬業者に引き取られていく。

前述の看護師が、現場の壮絶な様子を語る。

「中絶できるギリギリの週数になると、胎児が母体から出てきた時に産声をあげることがあります。院長からは赤ちゃんの口を手で塞ぐように指示されて、『できません』と言うと、『バケツに水を用意して沈めろ』と言われました。それもできなければ、ベビーを放置して息を引き取るのを待つのです。死亡したら専門業者に任せて埋葬してもらいます。あと少しで妊娠22週になるという蘇生の対象になるベビーだと思うと……。これが辛くて、クリニックを辞めました」

 

このような中絶ビジネスの実情を知る複数の産婦人科医が、「医の倫理に反する」と憤る。

「出産育児一時金は、本来40週お腹にいるはずの胎児に対して出されるものです。流産や死産にも適用されるのは、身体の回復を考えて出されるものです。医療者側から 『12週まで待てば安く済む』と誘導するのは、医の倫理に反することです。

お腹の子を育ててから中絶するなんて、本当に考えられません。そこに出産育児一時金を利用するのは間違いです。中絶をビジネス化するような医師の母体保護指定医の資格は剥奪すべきです」

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