泣いて出てきた胎児をそのまま死なせ…中絶ビジネスの「壮絶すぎる実態」

小林 美希 プロフィール

出産育児一時金を確実な収入に

まず出産育児一時金とは、健康保険の被保険者を対象に妊娠85日以上、つまり、妊娠12週以降の出産に対して赤ちゃん1人当たり約40万円が健康保険組合から支給される少子化対策のひとつ。これは、早産、流産、死産だけでなく、妊娠12週以降であれば中絶した場合も対象になっている。

そこに目をつける産婦人科医が出現。出産育児一時金は、医療機関が被保険者に代わって申請して直接受け取ることができるため、“とりっぱぐれ”がなく、確実に40万円が医療機関の収入となる。中絶手術は週数が増えるほどリスクがあり、手術費用も高くなる傾向がある。出産育児一時金を得られる妊娠12週で手術すれば、妊婦と医師の双方のメリットになり得るのだ。

産婦人科のなかには、妊娠12週での中絶が最も費用負担が少ないことをホームページや広告で提示しているケースが複数見られるようになったのだ。

 

昨年夏、医院名はX産婦人科とされ匿名だったが『週刊朝日』の報道を受けて現在、ホームページの掲載内容を変えているものの、それ以前、X産婦人科はホームページで「保険証を使用して12週台で手術を受ける場合、健康保険証の補助により手術費用はゼロとなります」と紹介し、クレジット払い、学生割引があることまでPRしていた。

全国の人工妊娠中絶件数は2019年度で15万6430件。関東地方の件数を都道府県別で見ると、東京都(2万7192件)、神奈川県(1万1286件)、千葉県(5797件)、埼玉県(5709件)、茨城県(2269件)、栃木県(2288件)、群馬県(2187件)となる(厚生労働省「衛生行政報告例」)。

これを妊娠週数別の中絶件数で見ていくと、中絶手術の総数に占める満妊娠12週から満15週以前の中絶件数は、関東地方の各都県でおおむね1~2%台である。ところがX産婦人科がある神奈川県だけ突出しており、妊娠12~15週の中絶が10.5%台という高い水準になっている。

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