2021.04.20
# 家電

ディスプレイとダイオード…20世紀を支えた画期的技術を生んだ一人の科学者とは?

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

戦争に翻弄された科学者

1918年の今日(4月20日)、ブラウン管を発明したドイツの物理学者カール・フェルディナント・ブラウン(Karl Ferdinand Braun、1850-1918)が亡くなりました。

ブラウン管は、電子銃から発射された電子ビームを偏向ヨークと呼ばれる電磁石によって曲げ、スクリーンに塗られた蛍光体を発光させる真空管の一種です。約100年の間、テレビやコンピュータの画面に必須の部品であり、まさに20世紀の映像文明を支えた発明と言っていいでしょう。

ブラウンはまた、無線通信の開発にも携わり、ダイオードの原型である鉱石検波器も発明しています。この業績により、グリエルモ・マルコーニ(Guglielmo Marconi、1874-1937)とともに1909年のノーベル物理学賞を受賞しました。

しかしノーベル賞受賞の栄誉とは打って変わって、ブラウンの晩年は寂しいものとなりました。第一次世界大戦に際し、祖国・ドイツがアメリカに建設した無線局が敵国・イギリスの支配下にあるマルコーニ社の手に落ちるのを防ぐために渡米したところ、大戦に参戦したアメリカ政府によって帰国を禁じられたのです。彼はニューヨークのブルックリンでのみ生活することを許され、その地で生涯を終えることとなりました。

ブラウン管が映像文明を作った Photo by SSPL/Getty Images

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