コロナ禍で実感した、彼らが発する力

兄はさらにこう言った。

「これは彼らからの副産物だけれど、BTSを通して、学生たちとのつながりが深まった。それまで学生とはゼミの話以外、雑談があまり盛り上がらなかった。でも、BTSのおかげで会話が広がり、コミュニケーションのスイッチを押してくれる。今では、BTS以外の話でも共有できるものが増えたかな。

ところがコロナでオンライン授業が主体になり、ゼミで学生たちに直接会うことも減った。学生たちは困惑し、自分も大学の在り方について考えさせられた。誰もが崩れてしまいそうな中、BTSがずっと言い続けてきた『Love Myself(自分を愛そう)』というメッセージが、国連のスピーチで語った“あなたの声、自分自身の話を聞かせてください”が、学生たちに必要だと感じた。

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そして、そんな憂鬱な日々を過ごしていると、『Dynamite』が発表になった。ダンスなんて踊ったことがない自分でも思わず足が動いてしまう明るい曲が助けになった。そしてネットを見ると、世界中の人たちが、MVを真似る動画を上げ、みんな楽しそうに踊っている。それを見て、不覚にも泣いてしまったよ」

確かに、『Dynamite』はコロナ禍の憂鬱な世界に鮮やかなダイナマイトを打ち込んでくれた。あの曲で灰色だった世界に少し色がついた感じがした。MVのYouTube再生回数はナント9億回を超えた!(3月12日現在)

YouTube/BTS「Dynamite'」Official MV(Big Hit Labels)

この曲の制作意図をメンバーたちは、「コロナ禍、多くの人たちに幸せで楽しい気持ちを伝えたかった」と語った。その言葉通り、その思いは世界中に広がった。この曲で初めて彼らと接した人たちも増え、明るくポップなダンスミュージックを歌うアイドルだと思ったに違いない。しかし、『Dynamite』はBTSの代表的なサウンドスタイルというわけではないのだ。