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震災から10年経って、福島の「経済停滞」が深刻になってきた

グランドデザインなき復興のツケ

10年後の格差

東日本大震災から10年が経った。地震と巨大津波によって多くの人命が失われたほか、経済的にも甚大な被害があった。

さらに福島第一原子力発電所の事故では、原発周辺を中心に帰宅困難なまま避難生活を余儀なくされている。被害を受けなかった国民には10年前の出来事だが、被災地の人たちにとっては今も闘いが続いている。

果たして、震災での経済的なダメージから、どれぐらい立ち直ったのだろうか。各県が発表した「県民経済計算」を中心に経済データから見てみたい。

なんと言っても影響が大きかったのは福島県だ。2011年度には県民所得が前年度比6.5%も落ち込んだ。福島第一原発事故の影響で経済活動が大幅に制限されたことや、県外に避難した県民が多かったことが響いた。

同じ被災地でも宮城県や岩手県の2011年度の県民所得はかろうじてプラスを維持した。地震による被害は大きかったものの、すぐに復興に着手できたことから、経済活動が活発になったという面もある。その復興需要の恩恵は東北の中心都市仙台を抱える宮城県が真っ先に受けた。宮城県の県民所得は2012年に8.4%も増加した。

福島県に復興需要の効果が出るのは宮城県よりやや遅れたが、それでも2012年度の県民所得は5.1%増、2013年度は7.9%増と大きく増加した。

問題は震災から5年が過ぎた2016年度以降である。福島県の県民所得の伸び率は2015年度以降低下を続け、最新数値である2018年度はついに前年度比マイナスに沈んだ。明らかに岩手や宮城に比べて経済が良くないのだ。

 

2020年12月に発表された福島県の「県民経済計算」の表紙には「経済成長率」のグラフが描かれているが、これが福島県の現状を象徴している。震災直後の数年間は大きくプラスになったものの、今ではすっかり伸びが止まってしまっている。

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