ラストバンカー・西川善文の部下登用術「序列や年次で見ては駄目」

西川善文『仕事と人生』(4)
西川 善文 プロフィール

部下の発言を抑え込むな

また、役職の序列の他に年齢を判断基準にする場合もある。現実に上司が若い部下に向かって、「君ごときの分際で何を言うんだ」となるケースがないわけではない。しかし、そうやって部下の発言を抑え込もうとする上司は、もっと人をよく見るべきである。若い人は若い人なりにいろいろなことを考えている。雑談の中でもどんな考え方を持っているかはわかる。「彼は若いけれど、いい考え方をする」という人を普段から見抜いておいて、その部下が出した意見が適切だと判断するならば、それを認めることが大事である。

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年齢以上に問題なのは、入社年次や出身大学を念頭に置いて考えることだ。こういう人が組織の中に一定数いることは仕方がないとしても、それが主流となったら、その組織は弱体化を免れず、結果を出せなくなる。

もっともだと思ったら登用する

序列にとらわれる弊害は、特に軍隊を見ればよくわかると思う。序列で作戦を決める軍隊が戦争に勝てるだろうか。作戦をしっかり立てる人が参謀となり、作戦を適切に実行できる人が指揮官に選ばれなければ勝てるわけがない。

実際、序列にこだわると、とんでもない人間が企業のトップになることがある。平時ならそれでも何とかなるだろうが、守らなくてはいけない状況で攻めるタイプの人がトップになったら自爆してしまう危険性が高いし、攻めたほうがいいときに守るタイプの人がトップになったら絶好のチャンスを逃すおそれが高い。だが、大企業で年功序列を覆す人事はほとんどないと言っていい。かつて松下電器が取締役中で下位にあった山下俊彦さんを社長に抜擢するという異例の人事を行ったことがある。これは松下幸之助さんという創業者が認め、バックアップしたからこそ成り立ったと思う。普通はそんなことをすれば社内が収まらないだろう。

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